ガリバー(IDOM)の直近の決算(2018年2月期)によると、売上高2,761億円(前年比+146億円)、営業利益69億円(前年比+23億円)ともに前年より大きくプラスとなり、堅調に推移しています。
堅調な理由のひとつはユーザーに直接販売する小売り台数が125,151台と前年の95,333台から大きく増加しているためです。
近年のガリバーは買い取った車をユーザーに直接販売する小売りに力を入れていますが、今期(2019年2月期)はより注力していくとのことです。
ガリバーの決算を見ながら、ガリバーの今後の展望を見ていきます。
ガリバーの決算は増収増益
ガリバーの2018年2月期の売上高は2,761億円と前年比+9.8%でした。これは新規出店32店舗分の売り上げが積みあがったということで、順調に推移しているようです。
営業利益も前年比+52.7%と大きく数字を伸ばしています。
好調の要因は、全国のガリバー店舗で在庫車両の展示販売を開始した結果、小売台数の成約率が上昇し収益改善が進んだためとなります。
ガリバーの小売り台数は年々増加しており、今期(2019年2月期)では14万台に達する予想です。
※ガリバー(IDOM)2018年2月期決算説明会資料より
2019年2月期の新規出店予定数も32店舗と前年並みを見込んでおり、今期の売上高は2,900億円と予想しています。
小売り台数の増加にさらに注力
ガリバーは継続して買い取った車の小売りに力を入れていくとのことで、良質車の買取をより強化していくと見られます。
一般の買取店では高値を提示しにくい輸入車も、自社の輸入車専門店「LIBERALA」 等で積極的に販売することにより、他社よりも高い査定額の提示を見込みます
一般の買取店では買い取った車をオートオークションで売却するため、利益が少ないです。そこをガリバーは自社の店舗で直接販売することで、1台あたりの利益単価を上げていく戦略です。
ガリバーは「LIBERALA」のみならず、軽自動車専門の「ガリバーミニクル」、ファミリカー専門の「SNAP HOUSE」、SUV専門の「Brat」などカテゴリ別に特化した販売店を全国に展開しています。
輸入車のみならず状態の良い小売り向きの車は積極的に高値を提示し、在庫を確保し小売りにつなげていく考えです。
新規出店店舗の設計変更で集客力UP
ガリバーは「ガリバーOUTLET」などの大型販売店を今後も出店していく予定ですが、その際の店舗設計を変更し、より集客を見込める店舗としていくとのことです。
具体的には、店舗内外のデザイン一新、展示車両方法・進入スペースの変更を行っていくとのことです。販売店の集客を増やすことで、直接販売する台数増加を見込んでいます。
さらなる新しいサービスも模索
ガリバーは個人売買の仲介サービス「ガリバーフリマ」や月額固定費用での車乗り換え放題サービス「NOREL」など、従来にないサービスを展開しています。
今後はカーシェアリング事業も検討しているとのことです。
カーシェアリングは保有台数の規模と保管場所の確保がポイントになりますので、ガリバーの豊富な在庫と店舗立地を活用することで、新たなサービスとして確立できる可能性があります。
まとめ
ガリバーは買取専門として、在庫を長期間滞留させずオートオークションですぐに売却し利益を得る手法で急成長をしてきました。しかし、近年では販売店を多数出店し、自らの店舗で直接販売する手法に変更しています。
ガリバーの中古車は高い!という評判がネット上ではありますが、各店舗で展示販売を推進していくにあたり、従来よりも単価設定を引き下げていく模様です。
ガリバーは買取NO1の仕入力を活かして、販売NO1を確固たるものとするのが目標ですが、その過程で商品・サービスの多様化を並行して進め、日本最大の車両・顧客取引件数を目指しています。